行雲流水

 6月25日(土)、宮古農林高等学校(下地恵吉校長)の第2農場は小さな子供たちの可愛らしい姿で華やいでいた。当日は同校に招かれて、竹の子保育園の園児たちがさつま芋の苗植えを体験するために訪れていた▼準備された畝(うね)に1本1本苗を植えていくのだが、苗は切り口から5番目の葉柄のついた部分までを埋める。1、2、3、4、5と子供と指導する高校生が声を合わせて数えるので、どこまでを埋めるのか子供たちにもよく分かる。苗と苗の間隔は子供の手の幅の数ではかって等間隔にする。こうして植え終わった畑には、苗が見事に整然と並んでいた▼引率の玉城竹子園長は、「土に触れたことのない子供たちだから、最初は戸惑いもみられたが、高校生たちの丁寧な指導もあって次第になれて、楽しんでいる」と語っていた。また、この催しを企画した仲里和彦先生は、「子供たちの植えた苗の成育が楽しみだ。収穫も体験させたい」と話していた▼作業が終わると、「ひまわり迷路」の探検に移った。ひまわりの咲き乱れる畑の中の迷路を数100メートルも歩くのだが、子供だけでは無理。高校生が手をつないでくれるが、それでもこけるのが結構いた。「大丈夫か」と高校生が聞くと、「大丈夫じゃない」と言って肩車に乗せてもらう子供もいた▼自然の中で、人と共に行動する喜びの原点を子供たちは体験した。「楽しい」、「子供たちが可愛い」と語る高校生たちは生き生きと輝いていた▼壮大なひまわりの広がりが、さわやかな風で豊かに波打っていた。

(2005/06/29掲載)

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