行雲流水

 今日6月10日は「時の記念日」である。昔の時の計り方には世界各国水時計と日時計の2つの系統があり中国には寺で香をたいてその香の煙の立ち方で時間を計ったとの伝説もある▼水時計の大方は四角い水槽を階段式に四つ連結。最も下の水槽には1本の目盛り棒を立て上の槽の水がだんだんと落ちてくるように工夫してある。落ちてきた水の量によって水面に設置した板は上がり棒の目盛りの時を示す仕組みである▼水時計の発明は古く紀元前十六世紀にはすでにエジプトで使用されていたとの報告もある。わが国の水時計は「日本書紀」によると中大兄皇子(後の天智天皇)が新造し、この時に合わせて鐘を鳴らし官吏の出勤時間を定めたという▼水時計が宮中に取りつけられたのは671年の4月29日。この日は太陽暦の6月10日にあたるというので東京天文台と生活改善同盟会は「時間を尊重し欧米人並みに生活の改善…」の目的で大正9年(1920年)今日の日を「時の記念日」と定めた▼ところでセイコー株式会社は毎年時間に関する意識調査を実施している。2005年度勤労者対象の「時間の過ごし方」アンケート結果によると、50代60代の7割は片道平均40分の通勤時間も自分の時間とはせず意識はすでに勤務状態である▼昼食時も食事24分食事以外30分で過半数の人の意識は仕事状態。退社後も自由時間意識は4割未満で約6割は頭から仕事が離れないと回答している。閑居すれば不善をなす?ではないはず。

(2005/06/10掲載)

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