行雲流水

 次々とやってきた台風の烈風に翻弄されて無残な姿をさらしていたオオバナサルスベリの樹形を整えるため折れ曲がった枝やこみ枝などは思いきって深めに剪定した。そして旧3月弥生(やよい)梢には光沢を帯びた薄茶色の新芽がポツポツと生えてきた▼緑豊かな木々を背に冬枯れのわびしい姿で孤立していた同樹にとっては嬉しい春の息吹である。今新芽はあれよあれよと言う間にたくましく生長し確かな形状の本葉へと変身しながら梢を引き立てている▼サルスベリの仲間は約30種類。同樹は最も花が大きい種類で材は船材・枕木・建築材として利用されるという。昨今は巣立って間もないらしいメジロの幼鳥も初々しい発声で連日季節を謳歌しながらマイソルヤハズカズラの花の蜜を求めてやって来る▼まさにわが家は万葉歌人の「石(いわ)ばしる垂水(たるみ)の上のさわらびの萌え出ずる春になりにけるかも」である。ところで今日は自然に親しむとともにその恩恵に感謝し豊かな心をはぐくむという趣旨で平成元年国民の祝日として制定された「みどりの日」である▼去る4月23日から本日29日までは「みどりの週間」で自然とのふれあいをテーマに全国の国立公園等においては自然観察会やハイキングなどさまざまな行事が展開された▼平良市では潤いある地域緑化について考えるため毎年市民運動実践協議会グリーン部会によって『緑の街角賞』入賞宅の見学会が催され多くの市民から好評を得ている。本日はその第15回目の見学日である。

(2005/04/29掲載)

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