行雲流水

 現在、「こどもの読書週間」中であり、読書推進協議会が制定した今年の標語は「コノ星ニハ本ガアル」である。地球上に住むヒトの特質は生きる内容として文化を持っている、ということだろう▼各学校では、「朝の読書」運動など、読書を推進するための色々な取り組みがなされている。また、市立図書館では、毎週土曜日に「こどもシアター」を開き、様々なかたちでこどもたちを物語やファンタジーの世界へいざなっている。さらには、おはなしづくりや読書感想文の書き方等を学ぶ「あすなろ会」も開催している▼圧倒的なテレビの影響、氾濫する情報の中で、青少年の活字離れが進んでいるが、読書はますます重要になったという認識が、読書を推進する関係者には共通してみられる▼こどもの知的好奇心の旺盛さには驚くが、彼らは、読書によって、例えば、いろいろな動物の生きざまや植物の生きる仕組みに興味を持ち、知って、生きものに対する愛しみの心を身につけていく。戦争の実相を知ることによって、平和を愛する想像力が育つ。多様な人の生き方を知って、寛容の心が育つ。やがて青少年期になると彼らは言葉の力を身につけ、論理的思考力を発達させて、複雑な社会で生きる力を身につけていく▼ところで、毎日曜日に放映されるBSブック・レビューがいい。紹介される本の世界の豊かさと、批評家の読書力に感銘を受ける▼人は読書する人としない人に分けられ、それは青少年期までに決まると言われる。どの子にも読書の習慣を身につけさせたいものである。

(2005/04/27掲載)

top.gif (811 バイト)