行雲流水

 過日合併後の新市名を考えるシンポジウムが催された。経過についてはすでに本紙や他のメディアもそれぞれ詳細に伝えているがいずれも報道扱いゆえパネラーや参加者の意見など会場でのやり取りの様子が主となっている▼そこで本欄では出席者の視点から今一度紹介したい。既報でご承知のとおりパネラー5名の中の3名は各自が推す「新市名」の根拠について熱弁をふるった。そして会場の聴衆はその根拠に共鳴すると即座に賛同の拍手を送ったりした▼10分間の休憩をはさみ再開された会では事前に申し入れてあった14名の出席者の意見が活発に交わされた。大半はパネラーに対する支持や疑問の声だったがより多く拍手を受けたのは長年市議会議員の公職にあった2氏の意見だった▼しかし意見の本旨は新市名に対するものではなかった。名称決定の仕方は住民の声を無視するもの。5万5000余の郡民の存在をないがしろにするものと合併推進協議会の対応そのものを鋭く批判▼県(宮古支庁長)の助言で新市名は住民投票でと決定したはずの5市町村長の一部首長が合併推進協議会では豹変して住民投票反対の先陣を切っている。同協議会の某町議会議員にいたっては投票で別の市名が多数となったらどうするのかと的はずれ論を展開▼民主的手続きも主権在民の何たるかもまったく理解していないと手厳しかった。それでも出席者の多くは核心をついていると受けとめたようで会場で際立った拍手を得ていたのはこの辛辣な意見だった。

(2005/02/18掲載)

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