「男女共同参画社会に関する世論調査」（内閣府）によると「夫は外で働き、妻は家庭を守る」という考え方に「反対」と答えた人が48・9％で、「賛成」の45・2％を1979年の調査開始以来初めて上回った。79年の調査では賛成72・5％、反対20・4％だった▼99年施行された男女共同参画社会基本法がめざす、男女が家庭と職業生活を営む両立が進展しているものと思う。男女雇用機会均等法が施行されて20年、同法の改正は間接差別の禁止と女性のみの差別を禁じている現行の均等法を男女双方に適用できる「性差別禁止法」へ転換するようである▼ところで「男は男らしく、女は女らしく」という性差意識は男女の差別であろうか、わが国の高校生は米・中・韓の高校生に比べて、こうした性差意識が極端に低いという報告がある▼ジェンダーフリー思想の影響であろうか。ジェンダーは生物学的な性別を示す「セックス」に対し、社会や文化によって後から形成された性別を意味する。本来ジェンダーフリーは「性差否定」でなく「性差別の否定」でなければならない▼東京都教育委員会は昨年8月、ジェンダーフリー運動のシンボルである男女混合名簿の作成をやめるよう都立学校に指示した。本県や本地区では同名簿の事例はごく少数という▼ところで浜松市や仙台市などでは臨海・林間学校で小学5年生の男女同室宿泊を行ったとの事例報告があるが、これは異常なりや否や。何事も過ぎたるは猶及ばざるが如しというが。

（2005/02/11掲載）