行雲流水

  人々は節目に祈りをこめる。年の初めは農産物、泡盛などの初荷に希望を託す。また観光など沖縄ブームを今年も盛り上げ豊かな1年にしたいと思う。宮古は市町村合併の年に当たり、生みの苦しみが今しばらく続くだろうが、やがて新しいDNAを獲得した姿を見せよう▼創造、創業、創始など1つの道を切り開く、この「創」には「傷つける」と言う意味がある。辛酸、辛苦なくして創造はなしえない。自然界の固体がそれぞれのDNAを如何に獲得し進化してきたかは想像を絶する過程があろう▼DNAを傷つけるとガンが発生することもある。だがその変異なくして進化はありえない。本紙も創刊50周年を迎えた。多くの企業は「必死の精神」でそのDNAを獲得してきたものと思う。更にそれを進化させねば生き残れない▼危機感や緊張感を失うと、あらゆる生命は弛緩し、衰退に向かう。事業も同様で、創業の精神、緊張の精神を常に堅持しなければならない▼論語「中庸の学」の「中庸」は、極端に走らないことをいうが、その「中」には、違ったものを結び合わせる意味もあるようだ。同質のものでは進化は起こらない。異質の人、体験、環境の存在が社会や企業の進化を促すという▼「強くなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格が無い」という言葉があるが、熾烈な競争の中でも、優しさや安らぎのある社会でなければならない。政治や企業もまたその使命を担っている。(月刊「致知」から引用等)

(2005/01/14掲載)

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