行雲流水

  2002年国は教育改革の一環として「ゆとり教育」を導入。目的は過密な学習内容を減らし十分に理解させるためと強調した。実際に中学理科の学習内容は30%も削減。授業時間数も20%減らされた▼小学校では1970年代〜1980年代282時間も減。1980年代〜1990年代は207時間。1990年代〜2000年代は961時間もの減で授業時数は減少の一途をたどってきた。この30数年間では半分にも等しい40%もの減少である▼父母の世代が学んだ1970年代の時間数と比べると「2日に1日は学校が休んでいる」状況だと言う。連動して学習内容も薄くなった。3ケタ以上の掛け算や4ケタ以上の足し算は扱わない。中学校英語では必修単語数は500から100に減らされた等々▼その結果改革導入は学力低下を招くと学校現場や父母の皆さんが厳しく指摘した深刻な事態を迎えてしまった。昨年国際教育到達度評価学会は25カ国&地域の11万7000人の小学4年生と46カ国&地域の22万5000人の中学2年生の学力を調査▼先日その結果が公表された。理科・数学(算数)の場合1位は共にシンガポールの小中学生だった。いずれかの科目の2位には香港・韓国・台湾の小中学生が並んでいる▼日本の小学生は理科算数3位。中学生理科6位。数学は5位である。しかも理数の勉強は楽しいと答えた生徒数は調査国の中日本は最低。かくて導入わずか2年で国は「ゆとり教育」見直しを公言。朝令暮改では!

(2005/01/07掲載)

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