行雲流水

 地域の熱い要望によって設立された県立伊良部高等学校は創立20周年を迎える。その記念式典と祝賀会が12月17日、体育館で盛大に挙行された。同校は地域に根ざし、地域を拓く学校として子供たちに高等学校教育を保障するとともに地域の文化向上に大きく貢献してきた▼町民性もあって、生徒たちは明るく伸びのびと学校生活をエンジョイしている。小規模校故の刺激の少なさを心配する向きもあったが、学校の意図的な取り組みが功を奏して、そのハンディを克服しているようにみえる。「新しい次代を担う若者への期待」、「豊かな人生への確かな助走」、「生徒の学習環境と保護者の役割」などの演題で多くの講演がなされている。ホーム・ステイや県外校との交流も取り組まれている▼学校は何よりも、生徒の知・徳・体を鍛え、進路を切り拓く能力と意欲を育てるところである。ITの活用など、創意ある授業の工夫がなされている。また、心配される生徒の減少傾向を逆手に取って、少人数の講座を設けて、生徒のニーズに即した丁寧な授業がなされている▼先に、優秀選手を集めた強化校等を破って県高校バレー大会で2連勝、世間を驚嘆させたが、昨年度の生徒の進路決定率が98%というのも凄い▼苦労もあろう。進む経済不安、全国的に見られる生徒の学習意欲の低下、あまりの忙しさ、教員評価による混乱等、ますます教育現場は厳しくなってくる▼しかし、教育の原点を見据えて、頑張ってほしい。生徒たちの島は青い空と海で世界に開かれている。

(2004/12/22掲載)

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