行雲流水

 「いま、下地島空港が軍事利用の危機にさらされている。あの美しい伊良部町のそして宮古の海や空が戦闘機の爆音で覆われようとしている。私たちは子どもたちの未来に、豊かで美しい自然と平和で安全な宮古圏域をつないでいこう」(大会決議より)▼28日、下地島空港の軍事利用に反対する宮古郡民総決起大会が開催され、郡民の総意が結集された。大会は宮古市町村長会や議長会、教育長会、砂川・奥平両県議をはじめ、おもだった組織が賛同して開催された。下地島空港の軍事利用反対は全郡民の総意と言える▼下地島・伊良部島の周辺には全国でも有数なダイビング・ポイントが散在する。「伊良部トーガニ」の抒情豊かな歌詩と美しいメロディーを生んだ風土がある。耳をつんざく爆音で生活環境を一変させることは決して許されることではない。しかも、それが半永久に続くかと思うとぞっとする▼沖縄の基地建設が県民の土地を不当に接収、拡大していった経緯、今なお基地の整理・縮小を求める県民の願いを無視し続けている実態、大統領さえコントロールできないといわれる巨大軍需産業、そのために多くの人の血が流される不条理も見失ってはならない▼結束こそが大切。「アメ」に惑わされて、一部の、一時的利益のために悔いを後世に残すまい▼2000年も前から語り継がれてきた言葉がある「もし、私が私のために行動しないのなら誰が私のために行動するのか? もし、私が私のためだけに行動するのなら私は何者か? そして今行動しないのなら、いつするのか」。

(2004/12/01掲載)

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