行雲流水

 天然記念物のセマルハコガメが上野村で見つかったとの記事を見たが、既に大野山林には昨年から見つかっているし、他にミシシッピアカミミガメやヤエヤマイシガメなど宮古にいなかった種が侵入している。また大野山林やそれ以外でもよくクジャクをみかける。学校などで飼っていたのが逃げ出したり、ペットとして飼っていたのを捨てたもののようだ▼少年自然の家の主任専門職員である岡さんによると、これらは食物連鎖を壊し、生態系に悪影響を及ぼしているという。またイヌやネコなども捨てられて野生化すると同様の影響を及ぼすという▼1人ひとりがそのことへの認識を深め、ペットを捨てたりしないこと、さらには住民らがたち上がり、行政等を動かし、対策を行使しなければ将来に悔いを残すことになると前出の岡さんは強調する▼他県などでもワニガメやアライグマ騒動などが起こっているが、生態系の大部分は「目に見えない」かたちで悪化するので、「環境破壊を鋭く見抜け」と識者らはいう。自然環境は極めてデリケートであり、万全の施策をなさねばなるまい▼ところで、宮古農林の「バイオ・リン」が化学肥料を節減し、地下水の硝酸態窒素を減らすなどの効果が「水のノーベル賞」につながった。「バイオ・リン」の生産とこの研究の成果を実践すべく農家といわずこぞって立ち上がらねばなるまい▼「行動は足元から」を合い言葉に、水や自然環境を守り、世界に冠たる「環境の島」をめざしたいものだ。

(2004/10/01掲載)

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