行雲流水

 学校の管理者(校長)は大きな緊張感と不安に包まれているという。来年度から職場の個々の教師に対するいわば勤務評定「教職員評価システム」を運用(試行)するという難題を抱えこむことを余儀なくされているからである▼運用の背景として県の「〜評価システムに関する検討委員会」はいじめや不登校問題の山積・児童生徒の学習意欲の低下などをあげている。そして昨年の11月から活発な議論を展開してきたと強調▼それを踏まえ「学校のあり方や教育活動を絶えず点検・評価して前進させる公正かつ客観的な評価システムが必要」といい「教職員(教師)の努力や力量を認め教職員の資質や能力の向上を図る」ことが学校管理者にとっては重要な心得だと注文をつけている▼管理者は教職員が作成した例えば授業等の指導案が着実に実施され意図した通りの効果を上げたか毎学期全教師の1人びとりと面談しながら点検し評価しなければならない責務を課せられる▼加えて自身の学校経営がたてた目標にそって実りある効果を生んで推移しているか教師側との連携のもと率直にチェックしなければならない。この評価システムの判定結果はやがては管理者や教師の別なく昇格昇給・降格降給などの人事に反映されると取り沙汰されている▼「学校管理者は仲間として日々なごやかに職場を共にしているはずの先生方の極言すると『生殺与奪権』を否応なしに抱え込んでしまった。ぞっとします」と天を仰ぎ苦悩する校長。まさに『難題』である。

(2004/09/10掲載)

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