平年は９月１日が二百十日だが、今年は閏年で８月３１日になった。その性でもあるまいが、８月に台風が集中した。１６号は二百十日に合わすかのよう本土を襲った▼ここ宮古では「旱天（かんてん）の慈雨」をもたらす台風は恋人のように待ち焦がれるが、その猛威の前にはなす術を知らない。大型の襲来は ９月で、昨年の１４号、過去に強烈な爪痕を残した宮古島台風（サラ、コラ、デラ）も９月であった。早くも南海上には１８号、しばらくは気が抜けない▼閏年と言えばオリンピックの年でもある。日本選手の活躍に一喜一憂したアテネ大会も、旧盆や夏休みとともに去った▼今大会はわが国史上最多のメダル獲得で賑わった。ロサンゼルスの ３２個を超える３７個、ロス大会以降低迷した１桁の金メダル数も、東京オリンピックの十六個に並ぶ成果を上げ、日本中が喜びに沸き溜飲を下げた▼ただ種目数（東京１６３、ロス２２１、アテネ３０１）に対するメダル獲得の割合をみると、概ね東京18％、ロス14％、アテネ12％となる。女子柔道は１９９２年のバルセロナ、女子レスリングは今大会からであり、両競技が金メダル獲得に大きく貢献したことが １つの特色と言える▼出色は平泳ぎ北島の金二、また男子体操、競泳女子８００Ｍ自由形、女子マラソンの金には感激した。総じて女性上位であり、サラ、コラ、デラのようなウーマンパワーは願い下げだが、ナデシコの嬶（かかあ）天下は国家安泰の証と受け止めたい。

（2004/09/03掲載）