行雲流水

 「少々高くても地元産?それとも安い島外産?」。知人に島産にこだわる人がいる。家庭料理に使う魚、肉、野菜、盆・正月の贈り物はほとんど島産だという▼彼は言う。「多くの人が地元産を買えば、島の経済が元気になり、いずれ自分に返ってくる」と。理屈はともあれ心遣いが気持ちよい▼毎月2回平良港で「ひらら市場」が開かれている。毎回、新鮮な野菜がたくさん並び、農家の売り込む声が響き活気づく。現在、食料品では品質や価格でなく「安全性」が最も重要視されている。「カーマチ(買ってちょうだい)」と声を掛ける農家の顔はまさに、安全マーク。生産者の顔が見える「地元生産地元消費」では、「安全な物が買える」メリットも強調されている▼ひらら市場には庭先で栽培している季節の野菜も豊富に並ぶ。今まで自家消費し、余った分は家畜の餌にしていた余剰野菜が金になる。ひらら市場は、新しい価値も生み出している。ある農家は「月2回でなく、毎日売れる施設が欲しい」と話していた▼先日、県宮古支庁と平良市役所で「食べて宮古!広げよう地元産」をテーマに宮古の味フェア(主催・みゃーくの味加工推進協議会)が開かれた。台に並んだ加工品の材料は、カツオ、モズク、イモ、ゴーヤー、パパイア、ウコンとほとんどが地場産。加工品にはこれらの農水産物の付加価値を高め、地域を潤したいとの思いが込められている▼間もなく旧盆の贈答がピークを迎える。その際は、みゃーくにこだわる女性たちの心意気を「買い」たいものだ。

(2004/08/23掲載)

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