猛暑の中、甲子園では高等学校野球選手権大会が開催され、連日熱戦が展開されている。プレーする球児たちのひたむきな姿と、筋書きのないドラマの面白さ、それに素朴な郷土愛が一緒になって、高校野球は多くの国民をひきつける▼高校野球に限ったことではない。青少年たちが目標達成のため、仲間と切磋琢磨し合って努力する姿は美しい▼先に伊良部高校バレーチームは県大会で優勝した。離島の小さな学校が、優秀選手を集めた強化校等に勝ったのだから、これは驚異に値する。祝賀会の選手紹介のなかで、監督は情報の収集分析担当の生徒も紹介した。伊良部の子供たちの優れた「バネ」は周知のことだが、その素質を科学的な指導で十分に開花させていることが素晴らしい▼音楽の分野でも、平良中と宮古高校がそろって吹奏楽コンクールで金賞を受賞した。先日、宮古高校吹奏楽部の定期コンサートが体育館で催された。その中で、多様な楽器が紹介されたが、その１つ１つの奏者の向上があってはじめて、合奏は美しく響く。ここにも切磋琢磨し合う姿があった▼宮古ＪＣ杯少年野球のテーマは「大きな声！元気な走り！チームワークは我らの誇り！」である。少年サッカー大会も毎年開かれている。この年齢の子供たちの発達課題は運動の感覚を養うことにある。心肺の能力と筋肉の発達は後である。だから、楽しさが一番である▼目標は青少年の心身の健全な発達にある。そのために献身的に努力している大人たちに敬意を表したい。

（2004/08/11掲載）