行雲流水

 事故…「思いがけず起こった悪い出来事」。辞書にそう記されている通り、いつ、どこで、誰に起きるか分からない▼以前、とある田舎道を運転中にハンドル操作を誤り、畑に転落したことがある。幸い軽いむち打ち程度で済んだものの、車は大破。今でも「あの時、畑で作業している人がいたら…」。怖さが鮮明によみがえる。絶対に忘れられない出来事だ▼夏休みに入り、高校生による死亡、重体事故が相次いだ。7月23日には上野村でバイクと大型トラックとの衝突。バイクを運転していた16歳の男子生徒は帰らぬ人に。29日には平良市で18歳の女子生徒が17歳の友人を後ろに乗せ原付バイクを運転中、道交法違反容疑で停止を求めたパトカーから逃走を図ったが、カーブを曲がり切れずに街路樹に衝突し、後ろに乗っていた友人が意識不明の重体となった。この事故も死亡事故につながる危険性を含んでいた▼命は万物の中で最も尊いもの。それ故、可能性に満ちた未来ある若者の事故には特に心が痛む▼交通事故はルールとマナーを守れば大半は防げるという。いまさらだが、すべてのドライバーにもう一度思い出してほしい。禁止事項になぜ速度制限があるのか。速度が上がるにつれ視界は狭く、運転操作も難しくなる。事故の危険性も高まる。ルールは少しでも事故につながる要素を排除するためにある▼同世代の高校生たちへ。あなたは両親や友人、学校の先生などたくさんの愛を受けている。あなたは1人の友人を交通事故で失った。その現実を重く受け止め、悲劇を繰り返さないことが大事だ。夏休みは始まったばかり。楽しく過ごしたい。

(2004/08/01掲載)

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