行雲流水

 第20回参議院選は11日投票が行われ、自民党が後退、民主党が躍進した。また、沖縄選挙区では野党共闘の糸数慶子氏が自民公認・公明党推薦の翁長政俊氏を大差で破り、当選を果たした▼当選した糸数氏は、新たな基地建設や憲法改悪など争点が明確な選挙だったと語り、落選した翁長氏は年金問題やイラクへの自衛隊派遣問題が逆風になったと語っている。2人の談話が今度の選挙の争点を示し、それに対する有権者の判断が下されたとみていい▼高齢化、少子化が進む中で年金問題は困難な問題を内包しており、与野党ともに国民に納得できる展望を示しているとは言いがたい。これから望ましい制度確立のための真剣な議論が求められるが、安定した国民生活がベースにないと成功することはあるまい▼例えば、少子化対策にしても、希望を持って、安心して子供を生み育てる環境が必要である。国民保険への加入促進にしても、雇用形態の多様化に伴い劣悪な労働条件下で働く多くの若年労働者が掛金の納付に負担を感じているのが現実である▼多くの途上国では飲み水の確保さえ容易でなく、飢餓に苦しんでいる人々が多い。人道支援と言うが、武器を持ってイラクに行く100分の1の費用で同じ程度の仕事がこれらの地域で出来るといわれている。なぜイラクなのか?▼それにしても、当地区の投票率は最低であった。首長選や県議選では圧力のかかり易い期日前投票率が異常に高い。今回も選管の不手際があった。いずれも主権者としての意識の低さの表れと言える。

(2004/07/14掲載)

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