行雲流水

 ♪ささの葉さらさら/のきばにゆれる/お星さまきらきら/きんぎん砂子。七夕は、もともとは中国の星祭りである。織りひめは牛飼いのひこ星と結婚してから遊んでばかりではた織りを怠ったので、天帝は怒って、天の川をはさんで2人を引き離した。しかし、いかにもかわいそうなので、年に1度7月7日の夜だけ逢うのを許すことにした▼この伝説をしのんで、7月7日の晩、宴を開いて酒をくみ、2つの星が天の川をはさんで輝くのを眺めながら詩文を作るのが唐代の中国の風雅であったという。この風俗をうけて、日本でも奈良・平安時代、歌も盛んに詠まれている。「恋ひ恋ひて逢う夜は今宵の天の川霧立ちわたり明けずもあらなむ」(読み人知らず)▼こと座のヴェーガが織りひめである。この星は全天一のダイヤモンドと言われるほどに美しく瞬いていて、いかにも美人だった織りひめにふさわしい。地球の地軸は今から一万二千数百年後にこの星の方向を向くので、その時この星は北極星となることも知られている▼夜空の星を愛でることも、歌に詠むことも少なくなったが、七夕祭りは古代から現在まで続いている。人々がロマンを感じてきたからだろう▼各保育園や幼稚園、小学校や図書館でも七夕祭りを催して、子供たちの夢を育んでいる。子供たちは短冊に書いている「アンパンマンになりたい」、「保育園の先生になれますように」、「ともだちが好き」▼「七夕さま」の2番は歌っている「五色の短冊/私が書いた/お星さまきらきら/空から見てる」。

(2004/07/07掲載)

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