行雲流水

 6月27日(日)、マティダ市民劇場で、特定非営利活動法人NGO沖縄アジアチャイルドサポート(代表理事池間哲郎)の主催で「2004年モンゴルの子供たちによるサンバイノーありがとうコンサート」が催された。貧しくて学校へ行くことのできない子供や親がいなくて保護施設で暮らしている子供たち8名(それに教師1人と通訳1人)を招いて、開催されたものである▼コンサートは、だみ声や澄みきった声など1人の人間が同時に複数の音を発してメロディーを奏でるモンゴルの伝統的な喉歌からはじまり、古典舞踊や曲芸、モンゴルの笛(リンプ)の演奏など、珍しい演技が披露され、かけつけた市民を魅了した▼何よりも、過酷な生活の中で必死に芸を学び、遠い異境で懸命に演技する子供たちのけなげな姿が深い感動を呼んだ▼講演で池間氏は次のような状況を報告した。今、途上国では、貧しさのために毎日4万人以上の人が死んでいる。モンゴルでは、親から見放された子供たちが冬季(マイナス30度は普通)には、給湯管が通っているため暖かいマンホールで寝ている。女の子は更に悲惨で、売られ、売春をさせられ、エイズに感染、死んでいくのも多いという▼こうした中で、上記NGOは、子供たちの保護施設「沖縄の家」を、さらには「沖縄の学校」、「沖縄の宮殿」をつくって支援に当たっている。資金はすべて沖縄の人の寄付によるものである▼池間氏は語る「見てしまった以上、あるいは出会ってしまった以上は、何かをすべきだと思った」。

(2004/06/30掲載)

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