行雲流水

 嫌われ者の台風が今年もやってきた。マンゴーが実り葉タバコの収穫に忙しい5、6月の台風襲来は4年連続だ。なぜこのような現象が起きているのか。環境問題に詳しい電力中央研究所の丸山康樹上席研究員は、地球温暖化との関係を否定しない▼地球温暖化は発電所や自動車等から出る二酸化炭素などが原因とされ、私たちにも身近なところからできる対策は多い。例えば電気や燃料の節約を心掛ける。温暖化(異常気象)防止には小さな行為の大切さが言われている▼環境問題といえば、宮古ではごみ問題がクローズアップされている。車の窓からたばこや空き缶をポイ捨てする人をよく見掛ける。たばこのポイ捨ては、環境を汚すばかりでなく原野やキビ畑の火災原因にもなりかねない非難されるべき行為である。空き缶の場合は、ボランティアで拾う人を見掛ける。「捨てる人あれば、拾う人あり」の構図が指摘されている。山林に入れば、家庭ごみや家電、自動車などのごみが目に付く。行政は心無い行為をしないよう呼び掛けるが、一向に改善される様子はない。まさに無法地帯と言えよう▼池間中学校の生徒たちは、島の豊かな自然を末長く後世に引き継ごうと、ごみ問題に取り組んでいる。環境学習を始める前はポイ捨てする生徒もいたが、今ではごみを持ち帰るのが当たり前になった。彼らは異口同音に「みんなの心掛けが変わらなければ、ごみ問題は解決しない」と指摘する▼今月は環境月間。池間中の生徒たちに倣って環境問題を足元から見つめたいものだ。

(2004/06/13掲載)

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