行雲流水

  任期満了に伴う第9回県議会議員選挙は6日、投票が行われ、即日開票の結果、県政与党が過半数を制し、野党も現状維持の18議席を獲得した。平良市区では、革新系無所属の奥平一夫氏が議席を獲得、宮古郡区では自民党公認の現職、砂川佳一氏が2期目の当選を果たした▼この選挙で、各候補は政策を掲げて懸命に支持を訴えた。そのことは、本県あるいは当圏域が抱える課題を改めて明確にするものとなった▼最大の課題は基地問題であり、経済の自立である。戦後半世紀をこえてなお普天間の街のど真ん中には米軍の飛行場があって、住民の生活を脅かしている。本来、無条件で撤去されるべきものである。県民の一致した要求である地位協定改定に対する国の対応にみられるように、基地問題に対する国と県民との間には大きな温度差がある。県民の結束した要求行動が求められる▼経済の自立が言われて久しいが、なかなか実現しない。県民所得は最低で、失業率は最悪である。特に議員には、具体的な振興策を立案・推進する能力が求められる▼いま、国民は将来の生活に大きな不安を抱いている。人間はすべて、人間らしく生きる「生存権」をもっている。そのための社会の仕組みづくりが政治の基本的な仕事である▼選出された県議の皆さんがよき政治家として県民の信託に応えるよう期待したい。ちなみに、英語では、利権や党利党略にはしるのはポリティシャン(いわゆる政治屋)で、本当の政治家はステイツマン、言葉の上でも区別されている。

(2004/06/09掲載)

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