行雲流水

 宮古の人口は5万5000人で、沖縄県の人口135万2000人の約4%。8つの有人島からなる離島県の中の離島地域だ。沖縄の人口増加率は全国でも極めて高い。女性が一生のうちに生む子供の数でも群を抜いている▼少子高齢化が叫ばれて久しいが、その流れは全国に比べ沖縄は緩やかだ。しかし離島県の離島、宮古には大きな波となって押し寄せている▼人口が5万5000人といわれて久しいが、その年代構成比の変化を見れば歴然である。宮古には20校余の小学校があるが、学年1クラスという学校が大半を占め、複式学級のところもある。市街地のある学校ではひと昔前、子供たちでグラウンドがすき間なく埋め尽くされたことを考えると隔世の感だ▼反面、総人口に占める高齢者の割合は年々右肩上がりで増加している。今までの制度や考え方ではこのバランスの崩れた状況に対処することは困難だ▼5日未明に成立した年金制度改革関連法も、その辺りから来ている議論だ。しかしほとんど議論が尽くされずに成立したことは国民周知の事実。複雑な制度だけに、もっと国民に分かりやすい議論を期待したが、消化不良のままの法案成立だ。多くの国民の政治に対する不信感をさらに増幅させただけだったように見える▼しかしあきらめてしまっては、自らの生活も悪くなることはあっても良くなることはない。きょうは県議会議員選挙の投票日。住民が政治に参加できる数少ない「チャンス」だ。少ない政策論争だったが、いくつかの判断材料は提示された。「チャンス」を生かそうではないか。

(2004/06/06掲載)

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