行雲流水

  小泉政権の三位一体改革(@地方交付税の見直しA国庫補助金の削減B国から地方への税源移譲)は国の税源移譲は進展しないまま交付税の削減が先行し県内52市町村はもとより全国の市町村財政を圧迫▼自治体の大方は歳入不足に陥って予算編成に四苦八苦している。これまで経済力脆弱な自治体は地域活力の保障として応分の交付税を配分されてきた。しかし今後自主財源の乏しい自治体の行政運用は容易ではなくなる▼公共工事の大幅見直し職員数の削減給与の引き下げさらには公的サービスの縮小。そして市町村合併へと駆け込むなど全国の自治体は起死回生の厳しい現実に直面している▼聖域なき小泉改革の波及は国民生活にとっても厳しくなる。例えば「年金」問題。67歳受給者事例(年金300万円。生命保険料や損害保険料の控除なし。妻同年齢の専業主婦で年金80万円)の試算を紹介する▼所得税15年度 0円は17年度には配偶者特別控除の一部廃止。65歳以上の公的年金等控除の縮小・高齢者年金控除の廃止で7200円に。住民税15年度4000円は18年度は4万6500円に。国民健康保険料15年度6万6960円は18年度は15万7120円にそれぞれ増額される▼「年金保険料は引き上げ支給は減額。これでは暮らしは守れない」の野党追及に首相は「日ごろから年金以外の備えも必要だ」と切り返した。高齢者 6割の生活源は公的年金だけという現実を正視しているとは思えない答弁である。

(2004/06/04掲載)

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