行雲流水

 28日、県議選が告示され、6月6日(日)には投票と開票が行われる。すでに各陣営では総決起大会や懇談会を開催して、支持者の確保と結束、政策の浸透を図ってきたが、いよいよ正式な選挙戦に突入、運動は激しさを増してくることになる▼近年、市民オンブズマン活動による行政のチェック、NPO(非営利組織)による政策提言、住民投票による意志の表明など、政治参加の方法も多様化し、それぞれに重要な意味を持っているが、民主主義を支える最も基本的な参政権は「選挙」において行使されることに変わりはない▼選挙は政策によって争われるものである。かつて、国民会議派を率いて選挙で勝利し、独立を勝ち取ったインドの初代首相ネールは著書『インドの発見』に書いている。「私は、我々の目標と計画とを理解し承認するならわれわれに投票するように、もし異議があるのだったら投票などしてもらいたくないと、人々に話した」。基本であり、理想である▼選挙運動は組織的にいろいろなかたちでなされるが、個人の選挙権は重い責任を伴う権利である。個人の自由な意志を尊重する事が大切である。買収したり、不当な圧力をかける側は無条件に「×」にしよう▼沖縄、日本、地域社会にどんなビジョンを持っているか、各政策を吟味し、候補者の志の高さや識見の豊かさ、行動力を判断の材料にしたい▼「国民はその水準以上の政府(政治)をもつことは出来ない」と言われる。県段階でも同じ、県民の意識の高さが示される選挙にしたいものだ。

(2004/05/26掲載)

top.gif (811 バイト)