行雲流水

  沖縄県教育庁義務教育課が示した小学校教育施策の中に「英語教育の充実」の項がある。児童期は新たな事象に関する興味関心が強く言語も異文化も自然に受け入れ易いからこの期に英語に触れることは国際理解を深める上でも重要。それゆえ国際理解教育の一環として常時行うと言う▼「小学校英語年間指導計画題材一覧表」も作成し月別・学年別細案を提示。在沖米軍ボランティアグループや県内在住の外国人をアシスタント(補佐役・助手)として活用するとの具体案も示している▼低学年から学習を始めれば外国語も楽に修得できるといった風潮に後押しされてわが国では幼児向けの英会話教室が増え教育関連産業の各社はビデオ・絵本など英語教材の開発にしのぎを削っている▼片や台湾の教育当局は去る 2月幼稚園における英語教育を全面的に規制することにした。具体的には「英語」「2カ国語」の看板を掲示したり外国籍教師を雇用したり英語を正式科目として採用することを禁止▼違反した場合は幼稚園の認可を取り消すなど厳しい罰則も科す。12歳以下の児童が補習班(予備校)で英語授業を受けることも禁止。台湾当局の幼児期教育に関する理念は明快である▼いわく「幼児教育は全人格の発展を促すものでなければならない。語学は健康・遊び・音楽・作業・常識(数学と自然)など必修科目の中の 1つにすぎず英語だけに偏った教育をすることはできない。ましてや英語を正式科目としたり英語のみで授業するなど論外」と。

(2004/05/21掲載)

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