行雲流水

 大型連休である。空港では、迎え、迎えられる人々の喜び合う姿があった。行楽地は、大勢の大人と子供たちで賑わっている。「知らない街を歩いてみたい」とも思う。自分の小さな世界をこえて人々の営みのあることの不思議▼休日、まずは4月29日の「みどりの日」。緑こそが、薫風を呼んでくる。5月1日はメーデー、働く者の祭典である。リストラ(改造・改革)が即解雇を意味する程に、働く者のおかれた状況は厳しい▼5月3日は憲法記念日。国民主権、基本的人権の尊重、平和主義を基本理念とする。「前文」は次の言葉で結ばれる「日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓う」▼5月4日は「国民の休日」。特別な意味はない。ただ連休を長く連結するためにある。働くことだけに価値をおいてきた考えの変容がもたらしたものである。「休日のための平日か、平日のための休日か」などと問うことなかれ▼5月5日は「子供の日」。こどもはすべて無条件に可愛い。人は生まれて3カ月で微笑むことを覚える。成長するのに必要な愛情と保護を得るための自然の戦略であると言われる。「幼児虐待」ほど摂理に反することはない。「すべての児童は、愛とまことによって結ばれ、よい国民として人類の平和と文化に貢献するように、みちびかれる」(児童憲章第12条)。風薫る5月の空に鯉のぼりが元気よく面白そうに泳いでいる▼それぞれに素敵な休日を過ごして、生活に充実と潤いを与える機会にしたい。

(2004/05/06掲載)

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