行雲流水

 「波に乗れ、風になれ、二十歳のストロングマン」をテーマに開催された第20回全日本トライアスロン宮古島大会は、25日、良好な天気のもと、熱戦が展開され、感動のうちにその幕を閉じた▼スイム、バイク、ランとつながる過酷なレースに挑戦・奮闘したアスリートたち、見事に組織され運営に当たった役員・ボランティア、盛大に繰り広げられた地域住民の沿道における多くの人々の声援が、一体となって大会を盛り挙げた▼響く太鼓やパーランクーの音、勇壮なエイサーやクイチャー、獅子舞、手話による応援、激励の横断幕、きれいに清掃された道路、彩りを添える花々、歩行者天国、大会はまさに「祭」である。だから、1人ひとりが皆主役である。秘められた崇高な思いや願いが込められている▼この大会を契機に数々のドラマやロマンが生まれてきた。「宮古への思いがあって、娘に『ひらら』と命名した」、「もう1度宮古に行きたいという病気の父に代わって参加した」、「宮古は第2のふるさとだ」等、報道される参加者たちの話は胸を打つ。これまでに幾組ものロマンスも生まれている▼中・高校生たちの活躍も喜ばしい。他府県や外国からの参加者との交流会の開催、中学生の独創的な応援幕の制作、高校生による通訳や放送、マッサージ等のボランティア活動。中・高合同編成バンドの見事な演奏、そのリズムはアスリートたちの胸の鼓動と力強く共鳴したに違いない▼島は、1日、感動の波に揺れた。そして、今、快い余韻を残して、さわやかな風が吹いている。

(2004/04/28掲載)

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