行雲流水

 「最高です」と語る宮里藍の笑顔がさわやかだった。宮里は昨年、アマチュアとしては30年ぶりに女子オープン戦で優勝、こんどは今年の国内開幕戦で地元の熱い声援の中見事に優勝、女子ツアー最年少優勝記録を更新した。諸見里しのぶ(高2)が5位でベストアマに輝いたことも中学生の宮里美香が8位と健闘したことも立派である▼宮里藍の父親の優さんが子供たちにゴルフを教えたのは家族でゴルフを楽しむためだったという。ゴルフはマナーを重視するスポーツだから子育てに良いと考えたようである。著書の1つが『学校が1番ゴルフは2番』であることもそのことを物語っている。娘の藍は語っている「ゴルフで怒られたことはない。しかしエチケットやマナーには厳しかった」▼ゴルフでは、技術面と精神面は車の両輪である。華麗なショットと、それを支える強靱な精神力は見事であった。天性の素質と厳しいトレーニングが伺える。またキャディをつとめた兄優作との二人三脚でつかんだ栄冠だと言われているように、切磋琢磨し合う家族の姿が見えてくる▼人を尊重し感謝の気持ちを忘れない、礼儀正しい、友情に厚い、明るい、笑顔が奇麗など人間的な魅力も人を引きつけるようである▼ラジオ番組で国仲涼子が質問を受けていた。小学1年生は「国仲さんとエリーは似ていますか」、これから進学するという高校生は「東京に出て、どう変わりましたか」。宮里藍はゴルフ界の「ちゅらさん」である▼初心を忘れず、精進を重ね、さらに大きく羽ばたいてほしい。

(2004/03/10掲載)

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