行雲流水

 きょうは「3」と「5」の語呂合わせで「サンゴ」の日だそうだ。1996年世界自然保護基金(WWF)が制定し、この年から石垣島・白保にサンゴ礁保護研究センターを建設する運動を展開した▼沖縄列島は島の成り立ちもそうだが、サンゴ礁と深く関わり、水産資源、観光資源など、また二酸化炭素の固定など自然環境問題との関与等、その保全が問われている▼造礁サンゴは細胞内に単細胞褐虫藻(かっちゅうも)が共生し、サンゴの老廃物・二酸化炭素などで、光合成生産を行う。サンゴは実に栄養分の50〜90%を褐虫藻に依存しているという。またサンゴ礁域の植物量比は熱帯雨林より遥かに小さいのに、光合成量比は熱帯雨林に匹敵するというから驚きである▼ところで近年造礁サンゴは危機に瀕している。オニヒトデの大発生とサンゴの白色化がその最大の要因のようだ▼サンゴの白色化のメカニズムについては先週各紙が報じたように、琉大の山崎秀雄教授らが明らかにした。褐虫藻の葉緑体で光合成を行う酵素発生系DIタンパク質の合成・再合成機能が温度上昇により影響を受けることが原因で、水温30度が分岐点だという▼オニヒトデについては梶原健次氏(平良市栽培漁業センター)の本紙「迫るオニヒトデ大発生…」などにその対策等がある。オニヒトデは全くの悪役だが、平生は成長の早いサンゴを押える調整役があるという。また天敵・ホラ貝の乱獲が異常発生につながったとも。全ての元凶はヒトの異常発生?かも。

(2004/03/05掲載)

top.gif (811 バイト)