行雲流水

  ここ数日間に宮古島の地下水や環境問題に対する講演会・シンポジウムが相次いで催された。去る21日は平良市主催の地下水保全について考える講演会。同主催の「環境保全条例案に係る市民討論会」。22日には「宮古の森・水・ひと」のシンポジウム▼21日の恍n下水は誰のものか揩ニ銘打った講演会で講師の東京農大宮古島亜熱帯農業研修センターの中西康博助教授は宮古島におけるサトウキビに施す化学肥料投与の時期は不適切。大半は吸収されず地下に流入。地下水汚染をきたす要因になっていると警告▼そして持論の「投与時期の見直し」と化学肥料に偏らず「緩効性肥料への転換」を強調した。事の重要性を確認した鹿児島県の喜界町では行政と生産農家が密接に協調して対応。地下水汚染の抑制や生産量増大の好結果も生んでいるという▼シンポジウムの講師琉球大学農学部仲間勇栄助教授は森林率16%の宮古島では雨水の48%は蒸発。蒸発散量を制御して地下浸透を促進。地下貯水量を増やすことが宮古島では最大課題。森林率30%への拡大展開は行政の緊急事と結んだ▼しかしこの種の会合に自主的に参加する行政担当者の姿は乏しく両助教授とも言外で「水・森」に対する行政の危機感は希薄と指摘した▼確かに昨今の行政の「緑」づくりは面の広がりではなく既存の森の中で貴重な共生関係にある低木や下草を安易に除去して植樹するという怏ョ上屋搦阮@であり森林率拡大に対応しているとは言いがたい。

(2003/11/28掲載)

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