相思相愛でも長すぎる春は、とかく破談の元、結婚だけでなく物事には潮時というのがある。市町村合併は何時になるのか▼「兵は拙速を尊ぶ」という言葉がある。仕事は雑でも速ければ良いという意味ではなく、「兵は拙速（の成功）を聞くも、未だ巧（最善策）なるも久しき（時間をかけ過ぎたものの成功）を見ず」との孫子の言葉に由る▼何事にも、その成否を決する鍵と、効果的に進めるコツがあり、タイミングというのがある。「合併期日またも決まらず」の報道をみて、島民のほとんどは「ニウサリドウ。ス」と思ったに違いない。近年特に宮古は一つとの結束は島民の心となり、トライアスロンなど広域圏のイベントがスムーズに運ぶのも、それが基盤にある▼「財政危機、少子高齢化、産業の育成など、厳しい状況下で地域社会を発展させ行財政能力を高めて行く」との合意形成を得たのであるから、小異を捨てて（残して）大同につくのが政治の道筋だと思う▼ところで、「兵は拙速を尊ぶ」の逆もある。選挙の結果、国民の合意ありと、即自衛隊のイラク派遣は拙速になろう。主権がイラクへ委譲される来年六月までがリミットとの意向だが、イラク各地は、テロ・ゲリラ戦が過激さを増すばかり、派遣は参戦を余儀なくされよう▼インフラ整備などの復興支援は、治安回復後でも十分であり、たとえ遅いとの米英からの批判があっても独自性を持つべきで、出来れば派遣せずがよい。

（2003/11/21掲載）