長寿県として他府県の追随を許さなかった沖縄。わが国は世界に冠たる長寿国ゆえ換言すると沖縄県は�恍ｷ寿世界一�揩ﾅあり国際的にも羨望の地位を確立してきた。しかしその栄誉も近年は激震に揺らいでいる▼確かに女性の平均寿命は今なお日本一の誉れを誇っているが一九九〇年四位だった男性が一挙に大きく後退し二十六位（厚生労働省「二〇〇〇年度都道府県別生命表」）に転落してしまったからである▼男性もかつては一位を誇っていた。それが今や急落。二年後の調査時にはさらに落ちるであろうと予測されている。主要因は他府県同様過剰かつ多彩な食材にたっぷり漬かってきた若年や中年世代の肥満など�恊H�揩�取り巻く生活様式にあるという▼さらには先の見えないわが国経済の不況不景気がもたらした倒産・解雇・失業等の厳しい現実が重なりその犠牲となった三十代・四十代後半の死亡（自殺等）が平均寿命を下げているともいわれている▼ところで昨今沖縄の食材や伝統料理が長寿の源として全国的に注目されている。自然や生活環境を大事に思う心。支えあう心。先祖崇拝や地域の結束などなど。その中で育まれてきた食文化としての�怏ｫ縄料理�揩ﾖの注目である▼凄じい勢いで続出する外食店。家庭にあっても子供達は外食店の味覚を要求し親は迎合してお袋の味に象徴される固有の味を衰退させ家庭料理を様変わりさせてしまう。県は長寿県失墜に危機感を抱き打開策として専門家を網羅し県民の食生活の改善に乗り出した。

（2003/11/14掲載）