行雲流水

  10月16日、世界食糧デー沖縄実行委員会・日本国際飢餓対策機構主催の「世界食糧デー宮古大会」が開催された。日本国際飢餓対策機構は、一般市民から寄せられた募金をもとに、飢餓と貧困に苦しむ人々のもとへボランティアを派遣、緊急飢餓援助、自立開発援助、学校開発援助など、世界的規模の活動をしている▼大会では、カンボジアで公衆衛生教育アドバイザーとして活動している奥村いずみさんが現地報告を行った。多くの農民が水に不自由しており、3キロも4キロも離れた池から水を汲んできて生活している。当然衛生的にも問題があって、多くの子供たちが下痢や赤痢、肝炎等で死亡している状況が報告された▼そうした中でボランティアたちは現地の人々と協力して井戸を掘り、衛生教育を行っている。あくまでも、現地の人々が、生活を改善することの必要性の認識と意欲を持って「自立」していくことを援助するという姿勢である。また、子供たちに伝わってこそ「文化」になるということで「人づくり」に力を入れている▼何世紀にもわたって人々が農業で自給、自立してきた多くの地域で、いま百万人規模の死者を出す飢餓や極端な貧困が広がっている▼これらの地域では、人口爆発ということもあるが、特権階級と外国企業によって輸出用換金作物作りが優先され、住民は食糧危機に陥っている。畑と森林は潰され、土地の侵食、砂漠化、水の枯渇化等の環境破壊が急激にすすんでいる▼先進国の経済拡大や大量消費が、構造的に途上国の生活を崩壊させている。

(2003/10/22掲載)

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