行雲流水

 本紙「宮古毎日新聞」の創刊は1955年9月19日で、この9月19日は48年目の記念日で、その紙面は第15434号であった。この間、時代と社会は激しく変化し、社会的責務の一翼を担う本紙も、幾多の試練を乗り越えて今日に至った。この日、社員一同は新聞の社会的使命を再確認し、決意を新たにした▼折しも、台風14号による被害や復旧作業の報道に追われていた日で、あらためて、新聞が地域と共にあり、正確な情報を迅速に届けることの重要性を自覚させた。特に今回、かなりの日数停電でテレビを見ることのできない地域もあってそのことが痛感された▼戦後日本の理想としてきたことは、平和で民主的な文化国家を築くことである。そのために新聞に求められることは、あらゆる勢力からの干渉を排除して真実を追求、正確で公正な記事と責任ある論評でその使命を果すことである▼しかし、ことはそう簡単ではない。操作された膨大な情報が飛びかっている。パフォーマンスや簡単なフレーズ(言葉)が幅をきかす。論理的な思考に弱く、無関心層がはびこる。好みに片寄る若年層の情報。―このような傾向が指摘されており、一層、新聞には選ばれた情報、読みやすい魅力ある紙面が求められる▼地方紙はまた、地域住民の意を体して、地域社会の発展、文化の振興に寄与する。いやしくも、権力者であってはならない▼真栄城社長は創刊号に寄せられた大浜国浩氏(元立法院議長)の言葉を借りて新聞のあり方について熱く語った「報道を私せず」。

(2003/09/24 掲載)

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