行雲流水

 小学5年以上を対象とした「化学への招待」が、今月2日琉球大学で開かれた。日本化学会などの主催だが、小・中学生の科学への興味関心の高揚と、最近の理科離れへの対策でもあろう▼西原町在の小5(孫)の付き添いを決め込み、小3の弟の方も連れて参加した。参加者名簿は64人だが、私同様のオブザーバー参加で膨れ上がっていた。宮古からも一家族の参加があった▼午前は「プラスチックの世界」の講話があり、午後は実験[シャボン玉、花火、化合物の探索、DNA(遺伝子)、実験いろ色、光化学]6項目から2つが選べるが、「花火を科学する」と「意外にとっつきやすいDNA実験」が孫の割当である▼花火の方に子どもらが夢中になるのは予想通りである。DNAは子どもら以上に私の方が熱中した。タマネギを洗剤、水とともにミキサーにかけ、食塩を加えてろ紙でろ過し、流れでる滴を冷アルコールにおとすと半透明状のものが遊離して見える、これがDNAなのだ▼DNAは2本鎖、らせん状巨大分子であることは知っていたが、こんな簡単な方法で取り出せるとは驚きである。既に一般化した実験なのだろうが、初体験は何事も感激である▼ところで、最近の研究によると、遺伝子が寝たり起きたりすることがわかってきたという。良い遺伝子をオンにし、悪い遺伝子をオフにできれば人間の可能性は飛躍的に発展するであろう。志を持った子らは、きっと良い遺伝子がオンになることだろう。

(2003/08/29 掲載)

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