行雲流水

 6月21日の梅雨明け宣言以来、少雨傾向が続き、台風接近でもないと、まとまった雨は期待できない様子。使用量増加で地下ダムの水位も下がり、このままでは何時まで持つかが危惧され、農業もピンチだ▼きょう8月1日は「水の日」で、この日に因む恒例の「天女の水まつり」は明後日だが、1番水を使うシーズンが8月、限りある水資源を大切にとの思いを深くする。それにしても九州の豪雨災害、皮肉な巡り合わせというか、自然の厳しさにやる方なし▼「水の惑星」といわれる地球だが、ほとんどが海水で、人間の使用できる表流水等は0・02%程度である。前世紀が、エネルギー争奪の時代なら、今世紀は「水をめぐる紛争の世紀」との強い論調もある▼水資源の枯渇といっても、単純に少雨といった自然現象から、「使い過ぎ」「汚し過ぎ」といった人為的な要素など多様だ▼黄河では流れが海まで届かない「断流」現象が、距離、日数とも年々長くなっており、黄河や揚子江(長江)も涸れ果てるとも、原因は雨量減と過度の取水、経済成長著しい中国だが水がネックになるとの指摘もある。インドやバングラデシュでは地下水の枯渇で、掘る井戸の深さが一層深くなりヒ素を含んだ地層から水を汲み、健康被害の悲劇もある▼ところで、大野山水源涵養林を散策する度に、小鳥のさえずりなど自然の豊かさを感じる一方で、目に付くのがゴミの投棄。命の水・島の地下水を守る心を今一度喚起したい。
 

(2003/08/01 掲載)

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