行雲流水

 本村義雄さん。父親の八幡製鉄入社で故郷の多良間島から一家八幡市(現北九州市)に移る。小倉師範学校卒業。教職から地方公務員へ。退職後「くまごろう号」と名づけたワゴン車に紙芝居や炊事用具を積んで奥さんと全国『行脚』のボランティア公演を続けている▼公演先はすでに5955カ所にもおよぶという。その功績が認められて西日本文化賞も受賞。平良市でも13年前に公演(兼講演)し訪問先々で接した人情の豊かさについて感謝をこめて紹介▼中でも訪れた市町村の行政善し悪し診断法は興味深く説得力があった。本村さんは目的地に到着すると真っ先に自治体の専用駐車場の係員と面談し対応が親切であれば豊かな気分になってそのまま首長室を訪れる▼その逆だとすかさず他の市町村へと移動する。いかに首長が善意ある人格者でも訪問者に接する職員の態度が横柄で無作法であればその市町村の施政は評価できない▼なぜなら職員の対応は間接的には直属上司の対応であり直属上司の対応はさらに上位の者の対応である。職員の対応が芳しくないということは上司のその又上司の最終的には行政首長の指導力が欠落し機能していないということにほかならない▼これが本村さんの明快な恪s政診断法揩セった。行政機構のみならず組織が肥大化すればするほど職員間でも意思の疎通は容易ではない。例えば進出いちじるしい大型量販店。品数豊富な割りには職員の接客マナーに対する上司の指導力は豊かとは思えない。

(2003/07/25 掲載)

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