行雲流水

 先日、日本育英会奨学生の予約採用の選考に係わる面接が行われた。奨学生の予約採用は、生徒や保護者にとって進学後の経済的負担に対する不安が軽減され、生徒が安心して勉学に取り組めるようにすることを目的とする▼奨学生に採用されると、例えば、自宅外から私立大学に進学する場合、第1種(無利子貸与)では入学から卒業まで月額6万1000円の奨学金を受ける。第2種(有利子貸与)では月額10万円までを受けることができる▼日本育英会では、平成15年度の場合、約5000億の費用をかけて約80万人に奨学金を貸与している。本県の場合25000名が申し込み、約2000名が採用された▼予約採用の選考は、人物・健康・学力及び家計について総合的に判定される。面接はその資料を得るための一環として行われた。宮古では76名の生徒が受けた▼面接は、グループに分けられ、集団面接のかたちで行われた。高校生活で努力した点、学んだこと、関心のあること、進路とその理由等について、順次、明るく率直、そして真剣に発言していた。時代を反映してか、医療や福祉関係の進路希望者が多い。また、資格取得や部活動で努力した生徒には、得たものをさらに伸ばしたいという希望が多い。教員希望者は、信頼し尊敬する教師の影響を強く受けている▼厳しい社会情勢の割には、現状認識に対する甘さも感じられた。ともあれ、生徒たちが、育英制度の活用を人生設計の中にきちんと位置づけ、勉学に励み、将来よき社会人として大成するよう期待したい。

(2003/07/23 掲載)

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