行雲流水

 5月23日、前期献血週間における献血が多くの人の協力で、目標をほぼ達成して終わった。職場への呼びかけは各自治体が担当、採血は日本赤十字社沖縄県支部の血液センターと宮古保健所の職員によってなされた。また、平良市赤十字奉仕団のボランティアの協力によって、事業はスムーズに行われた▼血液は全身の細胞に酸素と栄養素を運び、細胞の生活を支えている。また、細菌やウイルスなどから、身体を守っている。この、生命の根幹にかかわる血液は、それ自身細胞を含んだ生きているものである故に人工的につくることが出来ない。したがって、輸血の際は、献血によって得られた血液だけが頼りになる▼このことと、献血の安全性への理解が深まり、多くの人が協力してくれると、献血推進員の仲宗根さんは語っている。職場職員だけでなく、新聞で日程表をみて、毎年献血をする市民もいるし、旅行中に献血車を訪ねる県外者も結構いるという▼日赤沖縄県支部の上江州さんの説明によると、献血する血液の適合基準はきちんと守られている。また、医師が立ち会うのは日本だけで、それだけ安全性には配慮がなされている▼もともと、赤十字は戦争で傷ついた人や自然災害の被災者を救出する。血液センターでは、あらゆる事態に備えており、サミットのときにはRh(−)も準備したという▼言葉がいい。献血の「献」はたてまつること、謙譲語である。身をもって他者のために奉仕しながら謙虚である。無償の愛と生命への畏敬の念が込められている。

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