行雲流水

 新型肺炎SARS(重症急性呼吸器症候群)が中国などで猛威を振い、日々増大の報がある。かつてエイズが流行りだした当初、「後天性免疫不全症候群」なる聞き慣れない病名が、得体の知れない不気味さを伴い、不治の病とされ、罪多き人類への天罰が下されたかと思ったりした▼エボラ出血熱、ラッサ熱などのウイルス性出血熱などの奇病や、インフルエンザも過去に、1918八年2000万人が死亡したといわれるスペインかぜから、およそ10年ごとにイタリアかぜ(Aソ連型)、アジアかぜ(Aアジア型)、香港かぜ(A香港型)などが猛威を振るっている▼コロナウイルスはかぜの原因となるウイルスの1つで、SARSウイルスはトリコロナウイルスの突然変異による新種といわれる。新種であるSARSの被害原因は免疫にあるという▼ウイルスは細菌と違い、抗生物質が効かない。ワクチンを打つことで、体内に免疫をつくり、予防する以外に方法はないようだ▼だが新種のウイルスには現時点でワクチンは存在しない。報道によるとSARSウイルスは常に変異しているというから、一層厄介な存在である▼トリやブタと違い人間は万物の霊長だと力んでも、そのトリやブタの関与で新種のインフルエンザウイルスが生まれ人類を苦しめている。人類の傲慢さに対する自然のしっぺ返しともとれよう。ともあれ人口密度の高いわが国への侵入となれば、かなりのパニックを招くことになろう。終息を祈るのみである。

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