行雲流水

 「愛鳥週間」である。去る11日(日)には、宮古野鳥の会主催の親子探鳥会が催され、40人余の親子が参加、岡会長と久貝顧問の説明で、約3時間にわたって鳥の観察が行われた▼「あのセミは宮古だけにいる宮古島ニイーニイーで、めすでもニイーニイーです」。「ある種のおす鳥は美しい声で求愛するが、相手が決るとあまり鳴かなくなる」。「三光鳥(サンコウチョウ)は「月・日・星ホイホイホイ」と鳴くので「サンコウチョウと名づけられた」などと、楽しい話をまじえながらの説明がなされた▼要所要所で立ち止まって、耳を澄まし、アカショウビンやカラスバトなど約10種の鳴き声の特定に参加者は挑んだ。静寂の中で、遠く近く、強く、ときにかすかに聞こえてくる鳥たちのコーラスは、山林の立体的な奥深さを感じさせた。池では、サンコウチョウやヒヨドリなどの水浴を観察、その美しい姿や可愛らしいしぐさを楽しんだ▼気になることは、人工の光害や、捨て犬や猫、逃げだして野生化したクジャクなどによって、生態系が壊されつつあることだ。もう1つは、多くの低木が伐採され、フクギ等が植栽されていることである▼落ち葉を分解する微生物、地中の小生物、草や低木、光をたくさん受けて伸びる高木、虫や鳥も加わって、相互依存しながら、それぞれが生きる、山林は生命の共同体である。したがって、自然度が高いほど、人間の管理も保護も必要としない。事実、そうして生きてきた▼虫や鳥、草や木が元気な環境はまた、人間にとっても良い環境である。

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