行雲流水

 5月5日の「こどもの日」をもって、ゴールデンウイークも終わった。6日は立夏、暦の上では初夏に入る。畑では、アマサギがトラクターの後を追いかけながら、餌をあさっている光景が見られる。ということで、この季節に吹く北風を宮古では「白鳥北風」(スストゥイニス)と呼んだ▼ともあれ、5月晴れの下で、思い思いにゴールデンウイークを楽しめることは素敵なことである。しかし、私たちの前にある厳しさもまた現実である▼休日ではないが、1日はメーデー。1920年、日本初のメーデーでは、団結権の禁止等の撤廃、失業の防止、最低賃金法の設定が、要求として出されている。時代を逆行させてはならないし、多くの課題が残されている▼3日は、憲法記念日。前文にいわく「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免がれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」。如何にして「国際社会において、名誉ある地位を占めるか」が、今厳しく問われている▼5日は、「こどもの日」。東京の幼稚園からの報告がある。子供たちは、迎えが来ても、嬉しそうな顔をしない。帰宅しても、会話のない場所から逃げて自分の部屋でテレビやゲームに熱中する。そこでは、現実もテレビの中の仮想現実のように捉えられて、親も疎遠なものとなる。今、子供たちに必要なことは、現実感のある生活である▼僕自身はテレビで野球を楽しんだだけ。でも、砂漠の国の国連大使の言葉は忘れない「いまの人々は、自分のでない人生を生きている」。

top.gif (811 バイト)