行雲流水

 今日の流通機構はみごとなまでに1つの仕組みを定着させている。地方の品質のいい生産物は中央市場へと移出。地方の消費者は逆に中央から大量に入ってくる産品や加工品を購入するという仕組みである▼地方から移出される生産品の品質形状は事細かく精選され零細生産者の規格はずれの産品は地元消費者との相対売買で細々と処理されている。そんな中『地産地消』なる新語が耳目を集めている。文字どおりその地の生産物はその地で消費しようということである▼広く認知されなじみ深い言葉となっている「産地直送」が消費対象の視点を広く全国にすえているのに対し『地産地消』の主眼は生産地=消費地の仕組みづくりに向けられている▼平良市が過日離島航路埠頭で催した恊ツ空市揩ヘ経済不況で疲弊し沈みがちな生産者の生産意欲を地域の消費活動と親しく連動させることで盛り上げ同時に地域の経済力をも向上させたいと意図するものであった▼平良市は昨年台風4号でマンゴーがことごとく落下して生産農家が大きな痛手に打ちのめされていた時も即座に『即売フリーマーケット』を催している。2日間で3000人もの消費者が殺到し換金策のなかった生産者は現金を手にした▼これからも行政は知恵と緻密な企画力を駆使して生産者と消費者間の連帯感や相互扶助の絆を育て全国に16もある「四日市市」(よっかいちし)市名の由来にあやかれる地産地消の「青空市」に成長させてほしい。一過性のイベントであってはならない。

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