行雲流水

 3月は、年度をしめくくる月であり、新たなスタートを準備する月である。森や林は、濃い常緑樹に、クロキやクワデーサー等の柔らかい薄黄緑の新芽が加わって、生命の輝きに満ちている▼3月15日、大野山林に囲まれた県立宮古少年自然の家では今年度最後の行事「第20回宮古自然の家まつり」が催された。参加した子供たちは、野外レクレーションやクラフト(手造り工芸)、森林ウオークや乗馬等を楽しんだ。低学年の子供たちは、母親と一緒にペットボトルで作った水ロケットを持って、発射大会に臨み、勢いよく飛んでいくロケットに歓声をあげていた▼少年自然の家では、集団生活を通して、自然に親しみ、自然に学びながら、人と協力する事の大切さや友情の喜びを体験させることを目的に、多くの行事が実施されている。特に、今年度は学校週5日制に対応する事業が多く実施された▼最近の子供たちは多くの場合、自然に触れることが少ない、友人関係がごく少人数に限られる、家庭では仕事をさせないので、働くことの苦労や喜びが分からない、与えられるばかりだから、人を思いやる心に乏しい▼だから子供たちにとって、少年自然の家での体験は新鮮に感じられる。「大野山林に鍛える少年のつどい」や1週間寝食を共にする「大野山林セカンド・ホーム」に参加した子供たちは書いている「友達がたくさんできた」、「わくわくした野外炊飯」、「きつかったが頑張った」▼花が美しいと感じる感覚ですら「学習」によって身につくと言われている。

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