行雲流水

 NHK総合土曜の「週刊こどもニュース」の視聴率は10%程度だが、60歳以上に限っては、20%だという▼池上彰キャスターいわく、人呼んで「週刊老人ニュース」、お年寄りからの反響、ファンレターが多く、子どもニュースを見て初めて分かったという方が随分いるという▼この番組、子どものことを扱わず、大人のニュースを子ども向けに解説するのが狙いだという。先週はイラクの査察問題等一触即発の国際関係を懸命に解説していた。ともかく子ども・老人ならずとも、特に経済関係は難しい▼デフレスパイラルに陥った日本経済はいつ立ち直るのか。不況にも良い面があり、無駄をなくし創意工夫と努力により、強力なシステム構築のチャンスだといわれても、お先真っ暗では、縮っ放しの日本になりかねない▼インフレ・ターゲット、調整インフレとは何か。日本が不況から脱出するには、年平均4%のインフレを15年間続けるべきだとの提言などがあり、本来インフレ抑制のための政策を、わが国のデフレに応用しようというのがインフレ・ターゲットだという。日銀がマネーサプライ(通貨供給量)を増やして意図的に物価を上昇させ、インフレによる景気浮揚を図る調整インフレと、どう違うのか▼首相は金融破綻は絶対起こさせないというが、借金で破綻寸前の国家財政、インフレと聞くと、戦後のハイパーインフレが脳裏をよぎる。高齢社会の日本、本気で「週刊老人ニュース」番組の提言をせねばなるまい。

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