行雲流水

 新年も、国内外の情勢はきびしく、まさに内憂外患。拡大する拉致問題等・日朝国交正常化の行方はどうなるのか、隘路多き構造改革は遅々として進まず、株価の低迷、デフレ不況からの脱却など経済見通しも暗い▼また、かつてない様々な犯罪の氾濫。人心の健やかさも国家・社会の安定でこそ育つというもの▼外は、さらにきな臭さが一段と匂う。イラク、北朝鮮の孤立化、特に対イラク戦争勃発は一触即発の危機にあり、北朝鮮のNPT(核拡散防止条約)からの脱退と、迷走せる羊2頭、つけ狙うわ巨大な白頭鷲▼今年は未(羊)年、善、美、群を形作る羊だが、いけにえ的イメージもある。「羊頭狗肉」は、羊と見せかけて狗(いぬ)の肉を売ることで、「羊質虎皮」は、外見は立派だが中身が伴わぬことのたとえである。もとより2頭の羊の善良さも疑わしい。「羊の歩み」とは屠所に近づく羊のことをいうから一層悪い▼米国に重油提供を打ち切られた北朝鮮、逆にペルシャ湾の石油資源の確保が根っこにあるといわれる米国、テロや諸々の事情を踏まえ、国連主導による粘り強い平和外交は出来ぬものかと凡夫は嘆く▼スローライフの提唱もある今日、この狭い地球、そんなに急いでどこにいく、白頭鷲よ。ところで「1頭の羊に率いられた100匹の狼より、1頭の狼に率いられた100匹の羊の方が強い」という諺がある。リーダーの資質が問われているのだが、願わくば迷わぬ羊にリーダーをゆだねたいものだ。