【 記者の目 】

自立へ真価問われる/きょう宮古島市誕生1周年

 宮古島市が誕生してきょう十月一日で一周年。市は記念式典を同日、市中央公民館で開催する。式典では、内閣府沖縄総合事務局や県、県・宮古島市議会議員、宮古島市の各種委員、地域審議会委員らが招かれ、公募した市歌も披露される。

 一年を振り返り、今後に展望を示す伊志嶺亮市長は「島の隅々まで豊かさと活力を感じるまちづくりの推進」が呼び掛ける。
 だが、市民側からは「行政への関心が薄くなった」「市民の声が届きにくくなった」など合併から一年たった今、デメリットを強調する声も多い。
 合併への期待感が大きかっただけに、市民の間には先行きに不安感があるのは否めない。
 ◇地域審議会の役割重要
 そういった中で、地域住民の声を吸い上げ、市政に反映させる地域審議会の役割は重要だ。
 合併で、平良中心の市政運営が行われるのではないか? そういった懸念は、合併前に旧町村からあった。
 審議会が機能しなければ、その懸念にますます拍車が掛かるのは当然だ。
 審議会は市長からの諮問を受けて行動するのだけでなく、委員が自主的に勉強会などを開き、市民の声を統括し市に提案していくことが大事だ。
 伊志嶺市長は、市民参加型の行政運営に期待を寄せている。地域審議会は、それに応える意味でも、地域の課題を真剣に討議し、その解決のためにどのように実行していくのか、早急に示す必要がある。
 ◇役場をもっと身近な存在に
 合併で分庁方式となり、各支所には旧市町村職員が入り交じって配属された。職員の人事交流は積極的に行われたが、半面、地域住民には戸惑いが見られた。
「合併前の役場には顔見知りが多かったけど…」「町(村)長や課長に直接言えば、問題を解決してくれたのに…」
 こんな印象が市民の間に広がると、役場を市民から遠ざけてしまい、職員との間は広がっていくばかりだ。
 旧平良市と旧郡部とで、住民に対する接し方は、地域性や人口規模などで多少の違いもあるだろう。しかし、住民側に立った市政という意味からは同じでなければならない。
 役場を市民の交流の場とする。足を運びやすい環境にする。今こそ、職員の意識改革が求められる。
 ◇市民の目線で業務を
 米寿祝いで市は対象者に扇風機を贈った。はがきで、役所まで受け取りに来るよう通知した。
 受け取る場所は平良庁舎二階。箱詰めにされた扇風機はかなりの大きさだ。案内人も配置しなかった。高齢者に対する接し方としては、決して褒められた対応ではない。市民から「配慮が行き届いていない」と指摘されても仕方ないではないか。
 乳幼児を対象に市は予防接種の案内をはがきで出した。合併前は、各市町村の保健センターなどで行われていたが、合併後は接種場所が一カ所に指定された。
 通知のはがきには場所は明記してあったが、遠方からの母親らは「乳児を連れて遠出するのは大変。場所を探すのに骨が折れた」(三十代母親)との声も聞こえた。
 はがきに簡単な地図を入れるなど、細かな配慮がほしかった。
 住民サービスは、基本的には合併前の水準を保つべきである。低下は許されず、常に市民の目線に立った市政が求められる。
 ◇市民も意識改革を
 宮古島市の二〇〇五年度における市税徴収率は八一・三%、国保税は八七・〇二%(同)と合併前よりも低下している。徴収率は、県内平均を下回っているほか、県内十一市の中でも下位となっているのが現状だ。
 市は二日に納税課を設置し、徴収態勢の強化を図る。自主財源の確保に積極的に取り組む姿勢は見えるものの、徴収率アップのために、経費や人員を余計に投入しているという印象は否めない。
 「市税は自主的納付に努めましょう」というPR文に、ある市民から「他にどのような納付があるのか?」と笑うに笑えない指摘もあったという。
 財政健全化に向け、経費節減は不可欠であり、自主納付の徹底が求められる。
 合併でメリット、デメリットを議論しながら、市民自らが合併を意識改革の機会として捉え、行政と一緒になって宮古島市発展への方策を探るべきだ。
 合併から一年、自立へ向け、宮古島市の真価が問われる。
                                 (平良幹雄)

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