宮古ジュニア俳句育成会 宮古毎日新聞社主催 子ども俳句吟行会  

春休み みんなで俳句 作ったよ
自然の中で伸び伸びと

  「宮古毎日子ども俳句」吟行会(主催・宮古ジュニア俳句育成会、宮古毎日新聞社)が3月29日、カママ嶺公園で開かれた。春休み中の小学生や中学生約30人が参加、自然の中を散策しながら伸び伸びと俳句を詠んだ。特選には久貝巧真君(佐良浜中3年)、恩川じゅんのすけ君(下地小1年)、佐和田里緒菜さん(城辺小6年)の3人が選ばれた。(平良幹雄)

友達と一緒に自然の中を散策しながら俳句を作った春休み子ども吟行会=3月29日、カママ嶺公園
友達と一緒に自然の中を散策しながら俳句を作った春休み子ども吟行会=3月29日、カママ嶺公園

 

久貝巧真君
久貝巧真君

恩川じゅんのすけ君
恩川じゅんのすけ君


佐和田里緒菜さん


  特  選  

風ふけば白紙を飾る春の詩 
             佐良浜中3年 久貝巧真

木にのぼる赤アリ軍団かっこいい 
          下地小1年 恩川じゅんのすけ

みつばちが花のめいろに挑戦中
            城辺小6年 佐和田里緒菜
 

  子どもたちは、友達と一緒に公園内の樹木や草花、昆虫などをじっくりと観察。春の日差しを全身に浴びながら、思い思いのテーマで作品作りに励んだ。
 「五七五」と指を折りながら作品を作る子どもたちや、アリの様子をじっと見詰める子どもたちなどさまざま。普段の生活では、気付かなかった自然の営みにじかに触れる機会ともなった。
 参加した砂川久乃さん(南小三年)は「五七五のうち、七が十になってしまった」と盛んに指を折ながら作品を練り直し。花城沙也加さん(南小四年)は「季節によって作品が全然違うことが面白い」と俳句の楽しさを再認識。具志堅望さん(下地小四年)は「季節を感じながら俳句を作るのが楽しいです」と笑顔を見せた。
 吟行会の選者は「宮古毎日子ども俳句」の選者で、俳誌「円虹」主宰者、山田弘子さんが務めた。
 

貯自分の言葉で表現しよう
作り放しにせず練り直そう
「宮古毎日子ども俳句」吟行会選者 山田 弘子さん

  入  選  

たんぽぽや太陽に負けないお顔です 
           城辺小6年 仲里葉奈

春風でハイビスカスがおどりだす
                        南小5年 伊志嶺周斗

桜の木はれぶたいまでもうすこし   
                         南小5年 伊志嶺斗夢

春がきて句碑のまわりに花がさく 
                       砂川小5年 喜屋武咲世

春風にふかれてはっぱとんでいく 
                   
城辺小5年 上地貴大

春風がふく夢の中に行きそう 
                   
下地小5年 下地双葉

春の国花がみんなでわらってる
                         南小4年 花城沙也加

春休みみんなではいくつくったよ
                       城辺小3年 荷川取星弥

アゲハチョウ大空たかくとんでいる 
                        下地小3年 恩川ゆめの

あつい日にテニスでがんばるおじいおばあ                        久松小3年 仲宗根智陽

春のかぜそよそよふくよきもちいな 
                        下地小3年 砂川ちか

春の日にチョウがいっぱいとんでいる
                        西城小3年 下地朱人

はるのうたおはながうたうきれいだね
                   
 城辺小3年 下地梨里

春休みみんなではいくつくったよ
                  
 城辺小3年 池間たかき

たんぽぽがさこうとしているもう春だ
                  下地小1年 恩川じゅんのすけ
 

山田 弘子さん 伸び伸びとした子どもたちの作品に触れるたびに、胸が熱くなります。
 宮古島は四季が乏しいと言われますが、自然の移り変わりはあちらこちらに見えます。それを感じ取って作品にすることは、感受性を豊かにしていきます。
 宮古の子どもたちが、そういったことに触れながら成長していけば、自分の生まれ育った古里を大事にしていくという心が培っていけるはずです。
 吟行会は、自然の中に飛び込んで、自分の感じたことをストレートにつづることが大きな魅力です。
 そこには、昆虫や植物などが生息し、じかに命に触れることができる。子どもたちが、自然から学ぶことは大きいと思います。
 自然の温厚を大事にすると、さまざまな発見があり、命をはぐくむものを肌で感じ取ることができます。
 この島によって私は育てられたという思いがします。島の魅力に引かれ、通い詰めていくうちに、島の恩恵をたくさん頂きました。
 宮古は俳句の環境は素晴らしいものがあります。それは、島の子どもたちを将来立派な大人にしようという周囲の大人たちの熱意や協力が感じられるからです。
 俳句を学ぼうとする子どもたちに一言。うれしいな、楽しいな、きれいだな、といったみんなが使うような言葉を俳句で使うと損します。自分だけの言葉で、しっかりと表現しましょう。
 また俳句は、作り放しにしないことが大事です。推敲を重ねながら、作品を練り直し、次の機会に生かしていきましょう。

 山田 弘子(やまだ・ひろこ) 俳人。兵庫県出身。高浜虚子らに師事。ホトトギス同人、第2回日本伝統俳句協会賞。ナ年、俳句月刊誌「円虹」創刊・主宰。NHK教育テレビ「俳壇」の前選者。「宮古毎日子ども俳句」選者。
 

友達同士や家族連れなどで俳句作りに挑戦する子どもたち。芝生に座って考えたり、公園内を散歩しながら目に付いたことを短冊に書き入れたりと吟行会を満喫。春休みの思い出の一つにもなった=3月29日、カママ嶺公園



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