貯自分の言葉で表現しよう
作り放しにせず練り直そう
「宮古毎日子ども俳句」吟行会選者 山田 弘子さん
入 選
たんぽぽや太陽に負けないお顔です
城辺小6年 仲里葉奈
春風でハイビスカスがおどりだす
南小5年 伊志嶺周斗
桜の木はれぶたいまでもうすこし
南小5年 伊志嶺斗夢
春がきて句碑のまわりに花がさく
砂川小5年 喜屋武咲世
春風にふかれてはっぱとんでいく
城辺小5年 上地貴大
春風がふく夢の中に行きそう
下地小5年 下地双葉
春の国花がみんなでわらってる
南小4年 花城沙也加
春休みみんなではいくつくったよ
城辺小3年 荷川取星弥
アゲハチョウ大空たかくとんでいる
下地小3年 恩川ゆめの
あつい日にテニスでがんばるおじいおばあ
久松小3年 仲宗根智陽
春のかぜそよそよふくよきもちいな
下地小3年 砂川ちか
春の日にチョウがいっぱいとんでいる
西城小3年 下地朱人
はるのうたおはながうたうきれいだね
城辺小3年 下地梨里
春休みみんなではいくつくったよ
城辺小3年 池間たかき
たんぽぽがさこうとしているもう春だ
下地小1年 恩川じゅんのすけ
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伸び伸びとした子どもたちの作品に触れるたびに、胸が熱くなります。
宮古島は四季が乏しいと言われますが、自然の移り変わりはあちらこちらに見えます。それを感じ取って作品にすることは、感受性を豊かにしていきます。
宮古の子どもたちが、そういったことに触れながら成長していけば、自分の生まれ育った古里を大事にしていくという心が培っていけるはずです。
吟行会は、自然の中に飛び込んで、自分の感じたことをストレートにつづることが大きな魅力です。
そこには、昆虫や植物などが生息し、じかに命に触れることができる。子どもたちが、自然から学ぶことは大きいと思います。
自然の温厚を大事にすると、さまざまな発見があり、命をはぐくむものを肌で感じ取ることができます。
この島によって私は育てられたという思いがします。島の魅力に引かれ、通い詰めていくうちに、島の恩恵をたくさん頂きました。
宮古は俳句の環境は素晴らしいものがあります。それは、島の子どもたちを将来立派な大人にしようという周囲の大人たちの熱意や協力が感じられるからです。
俳句を学ぼうとする子どもたちに一言。うれしいな、楽しいな、きれいだな、といったみんなが使うような言葉を俳句で使うと損します。自分だけの言葉で、しっかりと表現しましょう。
また俳句は、作り放しにしないことが大事です。推敲を重ねながら、作品を練り直し、次の機会に生かしていきましょう。
山田 弘子(やまだ・ひろこ) 俳人。兵庫県出身。高浜虚子らに師事。ホトトギス同人、第2回日本伝統俳句協会賞。ナ年、俳句月刊誌「円虹」創刊・主宰。NHK教育テレビ「俳壇」の前選者。「宮古毎日子ども俳句」選者。
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