砂川校長(右)に感謝状が手渡された |
鏡原小学校の「子ども郵便局」は、一九八五年十一月一日に開局。当時の在校生は、同月十五日に記念すべき初の貯金を行った。以来、学期に一度、子どもたちが貯金袋にお金を入れて登校し、本物の郵便局員の支援を受けて児童局員が貯金業務を担当してきた。
同局を利用する児童は、それぞれ自分名義の「子ども貯金通帳」を取得。貯金額は各自の貯金袋に毎回記され、学校単位の合計金額が親局となる郵便局の「親通帳」に記帳される仕組みだ。子どもたちの貯金は卒業時に払い戻されてきたが、今年は閉局のためすべての利用児童に払い戻されることになる。同校では、福里眞佐希君ら九人の六年生が小学校生活を通じて貯蓄に励んできた。福里君は「貯金を楽しみにしている後輩もいると思うので、なくなってしまうのは寂しい。これからも貯金の大切さを忘れず、お金を大事に使いたい」と話した。
開局時の初代日誌 |
「子ども郵便局は」、日本郵政公社が、児童の金銭教育を支援しようと全国の小学校で取り組んだ事業。県内では本土復帰と同時に導入され、特に金融機関の少ない辺地や離島の子どもたちと父母に喜ばれた。
しかし、児童数の減少や校内での現金取り扱いの見直しなどで徐々に廃止や休止する学校が増え、宮古では現在、同校と宮島小の二校しか開局していない。
砂川校長は「郵便局と学校、家庭がスムーズに連携していたからこんなに長く続けることができた。貯蓄を通して子どもたちは、適切な金銭感覚とコツコツ継続する力を身に付けることができたと思う。この経験を生かし、将来はしっかり経済自立した大人になってほしい」と期待し、歴代の校長や担当職員、趣旨を理解して貯蓄をさせてきた父母に感謝した。
|