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守りの野球で軸となる、上地君(右)と洲鎌君 |
二月の県大会は、県内各地区の代表チームが集まる激戦。一回戦の石垣戦を2−1で制すと、準決勝の具志頭戦は延長九回にもつれこむ熱闘。九回表に5点を奪われたが、その裏に6点を取り返してサヨナラ勝ちを飾った。
決勝の石垣第二戦も緊張感あふれる試合となったが、延長戦の末、3−2で振り切った。与那覇正典監督は「チーム全体が粘り強くなってきた」と振り返る。
ばねにしたのは昨年十二月の県大会。本来の力を出し切ることができず、一回戦で敗れた。その悔しさから部員たちは、すすんで朝練を組み、毎朝三`のランニングを欠かさない。
友利太羅主将は「試合で気持ちの大切さを知った。練習からしっかり気持ちを入れてやっている」と気合い十分。グラウンドには部員たちの大きな声が響く。
道具も整理整頓され「心の成長が見られる」と与那覇監督 |
日も暮れ暗くなったグラウンドでベースランニングをする部員ら |
「点を取られなければ負けない」(友利主将)と、バッテリーを中心とした堅い守りが下地の特長だ。どちらもエース級の上地泰史君、洲鎌大地君の二枚看板が、バッテリーを組む。
バックも堅い守りでそれに応える。上地君は「チームの雰囲気が良いので投げやすい」。洲鎌君は「守りでリズムを作れば攻撃につなげることができる」と、守りの重要性を強調する。
チームが成長を遂げたのには、父母会の力も大きい。部員たちが毎日、与那覇監督に提出している「野球ノート」には、「感謝」の文字が多い。「少しずつ心の面で成長しているのかな」と与那覇監督。友利主将は「地域の人たち、両親に、毎日野球ができることを感謝している。下地と言えば野球と言われるくらいに頑張りたい」と力強く言った。
成長過程のナインにとって、県制覇は通過点。「全国で勝てるチームになりたい」(友利主将)、「一試合一試合を大切に戦いたい」(上地君)との思いを胸に、九州の舞台にチャレンジだ。
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