初の九州大会に挑む 

下地中学校野球部
堅守でチーム一丸
 

  「堅守・猛打 めざせ県制覇」。下地中学校野球部は、グラウンドに掲げた目標を今年二月、初めて達成し、今月二十四日から宮崎県で行われる九州大会出場の切符をつかんだ。部員は十三人。少ない人数ながら、一丸となった戦いを展開。県大会では三試合すべて1点差ゲームを制し、精神的にも成長を遂げている。「自分たちらしい守り勝つ野球で、一試合一試合を精いっぱい戦う」と、ナインは張り切っている。(砂川拓也)

 初の九州大会に挑む下地中野球部ナイン
初の九州大会に挑む下地中野球部ナイン=下地中学校グラウンド

 

洲鎌君 上地君

守りの野球で軸となる、上地君(右)と洲鎌君

  二月の県大会は、県内各地区の代表チームが集まる激戦。一回戦の石垣戦を2−1で制すと、準決勝の具志頭戦は延長九回にもつれこむ熱闘。九回表に5点を奪われたが、その裏に6点を取り返してサヨナラ勝ちを飾った。
 決勝の石垣第二戦も緊張感あふれる試合となったが、延長戦の末、3−2で振り切った。与那覇正典監督は「チーム全体が粘り強くなってきた」と振り返る。
 ばねにしたのは昨年十二月の県大会。本来の力を出し切ることができず、一回戦で敗れた。その悔しさから部員たちは、すすんで朝練を組み、毎朝三`のランニングを欠かさない。
 友利太羅主将は「試合で気持ちの大切さを知った。練習からしっかり気持ちを入れてやっている」と気合い十分。グラウンドには部員たちの大きな声が響く。
道具も整理整頓され「心の成長が見られる」と与那覇監督
道具も整理整頓され「心の成長が見られる」と与那覇監督
日も暮れ暗くなったグラウンドでベースランニングをする部員ら
日も暮れ暗くなったグラウンドでベースランニングをする部員ら

 「点を取られなければ負けない」(友利主将)と、バッテリーを中心とした堅い守りが下地の特長だ。どちらもエース級の上地泰史君、洲鎌大地君の二枚看板が、バッテリーを組む。
 バックも堅い守りでそれに応える。上地君は「チームの雰囲気が良いので投げやすい」。洲鎌君は「守りでリズムを作れば攻撃につなげることができる」と、守りの重要性を強調する。
 チームが成長を遂げたのには、父母会の力も大きい。部員たちが毎日、与那覇監督に提出している「野球ノート」には、「感謝」の文字が多い。「少しずつ心の面で成長しているのかな」と与那覇監督。友利主将は「地域の人たち、両親に、毎日野球ができることを感謝している。下地と言えば野球と言われるくらいに頑張りたい」と力強く言った。
 成長過程のナインにとって、県制覇は通過点。「全国で勝てるチームになりたい」(友利主将)、「一試合一試合を大切に戦いたい」(上地君)との思いを胸に、九州の舞台にチャレンジだ。
 

明るいメンバーで助け合い勝ち進む

チームを引っ張る友利主将
チームを引っ張る友利主将

友利 太羅(たいら)主将

 小学校のころから同じメンバーでチームワークを培ってきた。その仲間を引っ張る友利太羅主将は「みんなで助け合い、喜び合えるところが、野球の一番素晴らしいところ」と笑う。
 友利主将のチーム評は「とにかく明るい」。苦しい練習も、みんなで声を掛け合いながら乗り切る。「投手を中心に守り勝つ、下地の野球を九州大会でもしっかり見せたい」と、大会が待ち遠しい。
 今月は十七、十八日にも県大会を控える。優勝すれば今度は全国大会への出場権を得られるとあって、「前の県大会で優勝したのはまだまだ通過点。もっと上を目指す」と貪欲。「下地と言えば野球、と言われるように頑張りたい」と、目を輝かせる。

選手と欠かさずコミュニケーション

円陣の中で、ナインに檄(げき)を飛ばす与那覇監督
円陣の中で、ナインに檄(げき)を飛ばす与那覇監督

与那覇 正典監督

 時には厳しく、時には優しい言葉をかけながら、子どもたちを温かく見守る与那覇正典監督。「生活面での成長が野球につながる」を信条としており、「子どもたちが、父母や周りの支えに感謝を感じるようになってきた」。
 グラウンドだけでなく、一人ひとりがつづる「野球ノート」でも、コミュニケーションを取る。ノートには、一日三食のメニューや自主練習の内容までが書かれる。気付いた点やメッセージを記入して部員に返す。その繰り返しで、チームに目を配る。
 「九州大会に向け、全体の底上げが必要」と、売りの堅守だけでなく、課題の打撃や攻守のサインプレーなど、入念に取り組む。


 下地中野球部メンバー 

 海【監督】 与那覇 正典
【コーチ】川根 健一
【部長】 玉城 初美
【部員】
▽投 手=上地 泰史(2年)
▽捕 手=洲鎌 大地(2年)
▽一塁手=花城 尭 (2年)
▽二塁手=狩俣 圭(2年)
▽三塁手=上地 翔太(2年)
▽遊撃手=川満 昴弥(1年)
▽左翼手=友利 太羅(2年)
▽中堅手=芳山 拓磨(2年)
▽右翼手=来間 夏樹(2年)
▽補 員=川満 大希(2年)
与那覇 匠(2年)・川平 浩貴(1年)
上地 諒(2年)

 



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